1200年以上前から都としてつづく京都。
小さい街ながら長い歴史と豊かな自然に育まれ、独自の風習、文化が色濃く残っています。
中でも京ことばと言われる独自の方言は、長い歴史の中で幾度も権力者の交代を経験した先人たちの「本音と建前」を使い分ける暮らしの知恵が残っています。言葉のニュアンスを楽しみながら文化として残せるよう、縁起物として新しく生まれました。
●いけず【意地悪】
なまずは、地震を感知することから守り神として親しまれてきました。人々を苦しめる意地悪な地震から身を守ってくれます。また、漢字の「鯰(ナマズ)」にある「念」という字には「ねばる」という意味があるのですが、実はナマズのぬるぬるとした体に由来があるそうです。きっと願いが叶うまで、粘り強く応援してくれます。
●おこしやす【いらっしゃいませ】
商売繁盛を願う招き猫は、右手を挙げていると金運、左手を挙げていると人(客)を招くと言われています。こちらの猫は、礼儀正しく両手を合わせて「おこしやす」と福を招きます。ちなみに「おこしやす」という言葉は、予約していたお客様や遠方から来たお客様に対して使う言葉だそうです。
●かんにん【ごめん/勘弁】
蟹は、Vサインに見えるハサミから勝利を呼ぶ縁起物としても親しまれてきました。また、たとえ嫌なことがあっても許すことができる人、苦しみに耐えられる人は一生を通して幸せに生きていけるという意味の「堪忍は一生の宝」という言葉にあやかり、辛抱強く我慢している姿をしています。
●さらっぴん【新品】
河童は、古来より水難除け、火難除け、魔除け、商売繁盛(水商売・飲食業)の守り神として親しまれてきました。「真っ新(まっさら)」という言葉もあるように、古いお皿を外して新しいお皿を頭に乗せている河童の姿には、新たに気持ちを切り替えようという願いを込めています。
●ちゃうちゃう【違う】
狛犬は、古代インドの守り神(守護獣)として獅子のような像を置いたのが起源とされています。こちらは、チャウチャウのような獅子のような狛犬です。 “チャウチャウちゃうよ、狛犬よ~”と言いながら、邪悪なものから身を守ってくれます。
●どんつき【突き当たり】
うさぎは、ぴょんぴょん飛び回ることから「飛躍する」、長い耳からは「自分の身を守る情報を集める」と言われ、成長や発展を祈願する商売繁盛の縁起物として親しまれてきました。餅つきが得意なうさぎが、月ごとドンと突くことで「月=ツキ=運」を力強く呼び寄せます。
●ぽち【心づけ・チップ】
犬は、たくさんの子を産むことから安産のお守りとして古くから親しまれてきました。また、犬の遠吠えには「邪気を払い、魔除けの力がある」という言い伝えも残っています。こちらの犬は、ポチ袋と一体化しています。お守りとして役に立ったら、ご褒美をあげてくださいね。
●まいど、たんと、せんど【毎度、たくさん、何度も】
3匹の猿と言えば、日光東照宮の「見ざる」「言わざる」「聞かざる」が有名ですが、こちらの猿は「いつもありがとう」「たくさんお食べ」「何度もがんばりや〜」という京都人のお節介な優しさを表しています。また「猿=去る」から、不幸や困難が去るとも言われ、縁起の良い動物として親しまれています。